ChateaudeFUISSE / シャトードフュイッセ6代目にバトンを渡し、新しい時代へ突入するプイィ・フュイッセの大御所プイィ・フュイッセをブルゴーニュ地方南部の田舎酒からコストパフォーマンスに優れたスタイリッシュな辛口白ワインへと導き、世界に大きく広めたのが、5世代にわたってシャトー・ド・フュイッセを守るヴァンサン家。現当主は4代目のジャン・ジャック・ヴァンサンだが、造りの方は醸造学のディプロマをもつ息子のアントワーヌが取り仕切る。シャトーは15世紀に作られた五角形の塔とルネサンス様式のポーチが特徴的で、総計35haのブドウ畑を所有する。このうち23haがプイィ・フュイッセで、7.5haがサン・ヴェラン。1.70haのマコン・ヴィラージュと0.90haのマコン・フュイッセもある。さらにボージョレ地区のジュリエナにも2.8haの畑をもち、ガメイから赤ワインを造っている。プイィ・フュイッセには3つの単一区画もの、「ル・クロ」「レ・コンベット」「レ・ブリュレ」があり、「テット・ド・クリュ」と呼ばれるキュヴェは最良の区画を選び抜きアッサンブラージュしたもの。「ヴィエイユ・ヴィーニュ」は1929年に植樹された古木も含め、若くても30年以上、平均樹齢50年のブドウから造られている。栽培法はリュット・レゾネだ。圧搾後の果汁は12〜18時間のデブルバージュののちアルコール発酵。サン・ヴェランとマコン・ヴィラージュにはタンクを用い、テット・ド・クリュは7割がオークの小樽(新樽は25%)、3割がタンクでの醸造となる。単一区画ものとヴィエイユ・ヴィーニュは100%樽発酵・樽熟成。レ・ブリュレとヴィエイユ・ヴィーニュは新樽100%、ル・クロの新樽率は70%、レ・コンベットには新樽を用いず、3〜5年使用済みの古樽で醸造する。マロラクティック発酵はヴィンテージごと酸のバランスを見たうえで決め、2003年や2009年のようにまったくしない年もある。2009年はバトナージュもしなかった。ジャン・ジャックの時代は樽香が顕著に感じられたシャトー・ド・フュイッセのプイィ・フュイッセだが、アントワーヌが醸造を見るようになり、より洗練され、バランスのとれたワインへと進化した。新樽100%のレ・ブリュレさえ、新しい時代を予感させるスタイルとなっている。ヴァンサン家はジャン・ジャックの家族のほかにも、ブドウ畑を所有する親戚筋が数多くいる。それらのブドウをまとめて造るラインが、ネゴシアンラベルの「J.J.ヴァンサン」だ。これにはドメーヌでも若木などのブドウが使われることもある。また2003年以降は親戚のブドウ畑もシャトー・ド・フュイッセのスタッフが管理のうえ醸造。事実上、ドメーヌものとなんら変わりのないアイテム群となっている。 |
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